戦後80年、被爆者の想いを絵画に

 7月27日(日)、芸術学部絵画専攻・国本泰英研究室の学生5名(芸術表現学科4名/大学院芸術研究科1名)が、被爆者本人から体験した当時の場面や状況を聞きとり、絵画として描く「被爆体験絵画プロジェクト」で制作した作品を「福岡市原爆被害者の会」に寄贈しました。

 本プロジェクトは、2022年に福岡市原爆被害者の会(福岡市中央区)から「被爆者の体験した当時の様子や言葉・写真・資料では伝えきれない感覚を絵画にしてほしい」との要請を受け取り組んでいるものです。今年度もその思いに賛同した5名の学生が、2025年1月に被爆者と対面し、当時の様子を聞きながら描くべき場面と方向性を決定。絵の構図や色調などを確認しながら、4枚の絵(53cm×45.5cm)を描き上げました。

 被爆者は3月に下絵を確認して以来初めて完成した作品を目にし、思わず手で口を覆い「絵を見ると思わず、当時の情景が蘇り涙が出ました。言葉では伝えにくい被爆時の恐怖感を表現してくれて、学生たちに本当に感謝しています」と声を詰まらせました。

 広島に原爆が落とされた直後の様子を描いた同学科3年の義經しづかさん(筑陽学園高校)は「実際に被爆地広島に足を運び、証言者の方と対話を重ねるうちに、当時の悲惨さを徐々に感じるようになりました。写真や映像を直視できない人にも、絵を通してなら何か伝える事ができるのではないかと思い、作品を描き上げました。終戦80年の節目に、絵画専攻の私たちにしかできない取り組みになったと思います」と活動を振り返りました。

 寄贈作品は、平和のまちミュージアム企画展第9回平和パネル展(なみきスクエア)での展示のほか、証言活動時の説明資料として活用される予定です。ぜひお立ち寄りください。

【芸術学部・芸術研究科】

芸術学部のトップページへ