KSUプロジェクト型教育

教育/学部・大学院

卒業生インタビュー

九産大で自分の個性や確かな力を発揮できる場所を見つけた卒業生たち。

そのメッセージは、夢に向かって進もうとする一人ひとりの背中をそっと押してくれます。

2024年度

漫画家

廣瀬 孔明
白川 菫 さん
(ペンネーム:白川 すみれ)

芸術学部 芸術表現学科 2022年3月卒業
福岡県・九州産業大学付属九州高校出身

「お福さん」 のデザインから、
漫画家の今に通じる大事なことに気付けた

 大学2年次から本格的に漫画を描き始め、3・4年次と立て続けにコンテストで賞を受賞。大学卒業後はコミック本の連載を持つほど大活躍中の漫画家・白川さん。在学中は漫画執筆の傍ら、3つものプロジェクトに参加しました。

 芸術表現学科、絵画専攻の仲間たちと挑んだ『八女福島燈籠人形背景幕制作プロジェクト』では、江戸時代半ばから280年続く八女福島の「からくり人形芝居」の背景幕を、日本画の技法を使って制作。民俗芸能の伝承の一躍を担う、貴重な体験をしました。

 また、「漫画制作にとても生きている」と語るプロジェクトが、『KSUお福さんプロジェクト』。大学の創立60周年記念式典で来賓に配る「お福さん」を、九産大のモチーフや福岡らしさを盛り込みながらデザインするというプロジェクトでした。絵画専攻の白川さんにとって、デザインは未知の領域でしたが「自由に描ける絵画と違って、デザインは要望やニーズを把握した上で形にするもの。求められているものを把握することの重要性を初めて知りました」と、大きな気付きを得ました。「漫画も“読者”がいるので、自分の描きたいものと、喜ばれるものを上手く擦り合わせながら、形にしていく必要があるんです。また、自分の作品案を言語化して編集者にスムーズに伝える時には、プロジェクトでクライアントと何度も打ち合わせをした経験が役立っています」と白川さん。分野の違うプロジェクトにも参加したからこそ気付けたことも多く「いろいろやってみると楽しい。皆さんにも挑戦してほしいです」と、経験者としてその尊さを伝えます。

学生時代に関わったPROJECT

「KSUお福さんプロジェクト」

 九州産業大学のオリジナル博多人形の製作。 来賓へのお土産にするため、毎年違ったテーマで 製作。学生は、どうすれば喜んでもらえるのかを 考えながら、デザイン案を練ります。

「大刀洗町西鉄バスラッピングプロジェクト」

 西日本鉄道株式会社から芸術学部の2年生に 委託され、1年通じて行われた路線バスのフルラッ ピングデザイン事業。地域に役立つ実践的デザイ ンを学ぶと同時に、打ち合わせや話し合いを重ね て、協調性やコミュニケーション力を養います。

九州産業大学(建築都市工学部助手) 勤務

本田 雅文
古野 正章 さん

工学部 都市基盤デザイン工学科 2013年3月卒業
福岡県・小倉東高校 出身

学びを深めるフィールドワーク
地域住民との関わりでコミュ力も向上

 建築都市工学部で助手を務める古野さんは、工学部在学中の4年次から大学院博士後期課程を修了するまでの間、『自然環境をとおした学生と地域との連携プロジェクト』に参加。プロジェクトは、学びを深める最高の機会になっていたと振り返ります。

 「建築や街づくりは、自然に配慮することが求められる時代ですが、自然環境と言っても、机上だけでは理解し得ない部分も少なくありません。このプロジェクトはフィールドワークが多いので、授業の内容をより深めることができます。また、学生だけでなく、地域住民の方と関わりながら自然環境の保護・保全のあり方を学べるため、その方達から気付かされることも多いですね」。

 プロジェクトでは、近隣の小学校で自然の大切さ・面白さを伝える環境学習会などを開催。キラキラした目で話を聞いてくれる小学生から「面白かったです」「自然に興味を持ちました」などの手紙が届き、学科で学んでいたことの意義を再認識することができました。「届く手紙がすごく嬉しくて、将来は教える仕事につきたいと思うようになりました。もともと生き物は好きだけど、人付き合いは苦手というタイプでしたが、このプロジェクトで地域住民の方と交流する機会をもらい、コミュニケーションが苦ではなくなりました」と古野さん。現在は助手として、プロジェクトの運営に携わっており「プロジェクト参加は、様々な知り合いを作る近道になると思います。特に縦のつながりが薄いと感じている学生は、参加してほしいですね」とアドバイスを送ります。

学生時代に関わったPROJECT

「自然環境をとおした学生と地域との連携プロジェクト」

 地域住民や行政などと協働で、自然 環境を通して地域社会に貢献するための活動です。具体的には、地域の子供たちに自然の大切さ・面白さを伝える環境学習会の開催、熊本地震から復興を進める阿蘇地域での活動などを行っています。プロジェクトを通じて、持続可能な発展への理解を深めるとともに、学生たちは積極性・自発性・協調性等を育むこともできます。

株式会社くまもと健康支援研究所 勤務

本田 雅文
森 京華 さん

人間科学部 スポーツ健康科学科 2024年3月卒業
大分県・大分雄城台高校 出身

プロジェクトで知識をアウトプット
仕事で必要なスキルに気付く機会にも

 安全で効果的な運動プログラムを作成・指導する専門家「健康運動指導士」を目指して、受験資格が得られるプログラムが組まれているスポーツ健康科学科に入学。初志貫徹で資格を取得し、卒業後は健康運動指導士の資格を生かして、高齢者向けの介護予防教室などで活躍しています。

 『学生による地域住民の運動能力・パフォーマンス評価システムの構築~チーム「KSUスポーツ」プロジェクト~』に参加したのは4年次。スポーツ科学科の健康運動指導士及びトレーニング指導者の資格を目指す学生と、地域住民向けの運動能力・パフォーマンス測定会を開催しました。

 「それまでは資格取得に向けてインプットばかりやっていましたが、プロジェクトは知識をアウトプットできる機会でした。同時に、計測の後にフィードバックをするため、地域住民の方がなぜこの方は計測会に来られたのか、どんな目標を立てているのかなどを一人一人掘り下げました。そこで、健康運動指導士には、知識も大事だけど、コミュニケーションや自分の表情がとても大事であることに気が付きましたね。今の仕事でも、コミュニケーションを自分から取りにいくことを心かげていて、プロジェクトの経験が生きていると思います」。

 目標に向かって一直線に進んだ森さんですが、プロジェクトは、夢や目標がない人にもオススメしたいと言います。「やりたいことが決まっている方は、それを深めるきっかけになりますし、まだ決まっていない方は、新たな選択肢や将来像を見つける機会になると思います。自分の考えの幅を広げるためにも、ぜひチャレンジしてほしいですね」。

学生時代に関わったPROJECT

「学生による地域住民の運動能力・パフォーマンス評価 システムの構築~チーム「KSUスポーツ」プロジェクト~」

 運動能力やパフォーマンスを評価する 方法を再確認するための講習会の開催、 地域住民を対象とした運動能力・パフォー マンス測定会の実施、測定会で得られた データを科学的に考察し、地域住民へ フィードバックすることなどを通して、学 科で学んできた様々な知識の定着を図る ことを目的にしたプロジェクトです。学生 主体で展開するため、社会人になった時 に求められる「主体性」も育まれます。